ファッシャルディストーションモデル(FDM)とはどんな療法?

FDMとは、『捻挫や肉離れなどの怪我、腰痛や肩こりなどの痛み(筋骨格系損傷)の原因となる、壊れてしまった体の部分を直接手で元に戻す』と言う手技療法(西洋医学)です。

何故効果があるの?

怪我や痛みは、何らかの力が加わり、体の何処かが壊れています。壊れていない人はまったく痛みはありません。と言うことは、壊れた部分を元に戻すことができたなら、体は正常に戻り、痛みも苦痛もなくなり、普通に動かすことができるようになります。サポーターやテーピングで治るのを待っていても必ず治るとは限りません。FDMでは、壊れた部分を見分け、直接元の状態に修復するので即時の効果を得ることができます。

 壊れた部分の修復は直接患部に行うので、ある程度の痛みを伴います。それは患部が確実に修復されていることです。

体の痛みと機能低下とは?

健康な体は痛みを感じません。正常に機能し本来の力を発揮することができます。でも体が壊れてしまったら、思うように動かせない上に痛みも感じます。では、怪我やスポーツ障害、腰痛や肩こりなどは何処がどのように壊れているのでしょうか?それは主に骨、筋肉、腱、靭帯、関節などです。これらのどれが壊れても痛みの原因となり、体の機能低下の原因となってしまいます。
例えば:
筋肉や靭帯などに小さな断裂が起こったら
筋肉や靭帯などに小さな断裂が起こったら
正しく元の状態につなぎ合わせてあげなければなりません。

アキレス腱が切れたら、元通りにつなぐ手術が必要です。でも肉離れで部分的に切れてしまったら、それは手術でつなぐことはできません。また筋違いなど筋肉や腱が突っ張ってしまっても、手術で修復することは不可能です。湿布や包帯でもそれを元に戻すことはできません。壊れた筋肉や腱を見つけ出し、手で修復するのがFDMです。
筋肉などが部分的に突き出たら
筋肉などが部分的に突き出たら
元通りに押し戻さなければなりません。

鞭打ち症、腰痛、肩の損傷などでは、筋肉に小さな塊ができ、正常な動きを妨げることがあります。もちろん痛みも伴います。これはレントゲンやエコーなどの検査では映りません。FDMでは、この塊を正常な位置に戻し、元の状態に修復することができます。だから瞬時の効果が目に見えて現れます。
腱や靭帯のくっ付いた部分が壊れたら
腱や靭帯のくっ付いた部分が壊れたら
もう一度しっかりとくっ付けてあげなければなりません。

筋肉や靭帯が骨にくっ付いた場所に強いい力が加わると、その部分が剥がれるように飛び出すことがあります。捻挫やギックリ腰で突き刺されるような痛みを感じるのはこのせいです。この異変もレントゲンやMRIなどでは映し出すことができません。FDMは、この剥がれかけた部分も修復します。
関節の弾力性がなくなってしまったら
関節の弾力性がなくなってしまったら
上手く衝撃が吸収できるように柔らかく戻さなければなりません。

関節は骨と骨をつなぐ部分ですが、体にかかる衝撃を吸収する役割も果たしています。それが異常を起こし、上手く衝撃を吸収できなくなったなら、関節に強い痛みを起こします。でもやはりこの異変も、CTやレントゲンなどの検査では正常に見えてしまいます。だからいくら痛みを訴えても特別な処置はありません。FDMでは、関節を操作することでこの衝撃吸収機能を修復することができます。この修復が上手く行えたなら、長い間治らなかった症状も完全に改善することができます。
体を覆う膜がくっ付いたら
体を覆う膜がくっ付いたら
それを引きはがす必要があります。

私たちの身体は、全身を強くて薄い膜で覆われています。その下に筋肉や腱、靭帯があります。ある日突然、または何かの怪我をきっかけにこの膜がくっ付いて動かなくなったなら、痛みや痺れなどの症状を起こします。 またこの異変もレントゲンなどの検査で写すことができません。そのうえ触っても痛みはなく、でも動かさなくても疼いたりと、不思議な痛みを起こします。FDMでは、このくっ付いた膜を引き剥がし、体に痛みのない正常な動きを回復させます。
関節が固まったら
関節が固まったら
しっかりと動くように修復しないといけません。

五十肩や膝関節症などでは、関節が固まって上手く滑らなくなっています。まるで油が切れたようです。これまでに説明した体の異変が最終的にこのように関節を固めてしまうのです。この状態の関節を無理に動かすとひどい痛みを感じるでしょう。それは他の異変も必ず起こっているからです。それらを先に修復して関節を動くようにしてあげなければなりません。FDMでは、治るのを邪魔しているその他の異変を修復し、錆び付いた関節も修復します。
「腰から来ている!」とか「神経痛や!」または「骨がズレとるのや!」などと言いますが、本当は痛い所が壊れているのです。ここに説明した体の故障は、自然に治るのを気長く待ってもなかなか治りません。誰かが手伝いをしてあげない限り完全に元通りに治ることはないのです。ましてやスポーツ選手など、早く治って試合に出なければならない人たちは、それを諦めなければならないでしょう。それは最悪の結果です。FDMとは、これらの故障の状態に一番合った方法を選択し、元の状態に戻す手技療法です。